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高校生日記・03 [■旅行記]

翌朝目を覚ますと、外はまだ薄暗く、車内は少しひんやりしていた。

6時過ぎ、西鹿児島駅到着。

鹿児島新港から那覇行きの船が出るのは15:50なので、まだ9時間以上もある。

7:30頃船会社に電話をしてみると、「営業時間は8:30から」というメッセージが流れた。

駅の待合室で待ち、8:30に再び電話。

すると、「船はとても混んでいて、席がなくてもいいならキップを買いに来て下さい」。と言われた。

出発前に確認した時には、「とても空いていて、当日でも買えるから大丈夫です」。

と言われたから安心して乗る前に買おうと思っていたのに・・・。

それでもキップを早目に買えば座れるのではないかと考えた。

駅前の地図を見てみると、港までは歩いても行けそうだったので、先に銭湯に行く事に。

 

駅前の「ナポリ通り」という道を真っ直ぐ歩いて行くと、

錆びた看板に「鉄湯」という文字があったのでそちらの方向に行ってみた。

銭湯は高い煙突があるから簡単に見つかるはずなのに、なかなか見つからない。

近くにいたオジサンに聞いてみると、「そこはもう潰れたよ」と言われた。

代わりに「文化湯」という銭湯を教えてもらいそこに行く事に。

・・・と思ったが、急激に腹がへってきた。

このまま風呂に入ったら気絶するやもしれぬ。

食べものを求めてしばし彷徨い、やっとのことで小さな食堂発見。

今にして思えばまだ朝の9時だというのによく開いていたものだ。

そういえば店内は薄暗かったけど、もしかしてオイラKYだから強引に入っちゃった?

 

実はオイラ、以前某ハンバーガーチェーン店に入ろうとしたら、

自動ドアは壊れてて手で開けて入らないといけないし、店内は薄暗いし、

注文しても店員はなんか微妙な受け答えで無愛想だし、

商品が出てくるのもやたら遅いしで、

「なんつー店だ(怒)! こんなんだから客が1人もいないんだよメーン!」

と思って出てきたら、

まだ開店前だったという武勇伝の持ち主なのだ。

なさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ

 

うどんを食べ、文化湯に着いたのが9:30頃。

その後再び西鹿児島駅へ。

直射日光が容赦なく照り付け、既に気温も上がってきて、

信号待ちの時はみんな影の部分に退避している。

地元の人たちは西鹿児島駅を「西駅」と呼んでいた。

「西駅」。

なんだかオイラも通になったような気がしてきた。

西駅前の旅行センターで船のキップを買おうとすると、

「もう満員でキャンセルでもない限りここでは買えません」。と言われる。ガーン!

係のおねえさんに、「明日の便にしたらいかがですか?」と言われた。

・・・ヤダ。

 

それでも港に行けばなんとかなるだろうと思い、11:30頃移動開始しようと決めた。

何故あの時、駅で1時間待ってから港に向かうことに決めたのか、分からない。

もしかしたら、早目に着いても15:50の出港まで何もすることがない、

ということに囚われていたのかもしれない。

今にして思えば、いくらここに留まっていても時間の無駄なのだ。

むしろ入手困難なチケットを得るために、一刻も早く港に行った方が良い。

その港だって、遅れて行けばチケットが手に入るかどうか分からない。

しかも、港まで延々歩くつもりだったが、これからの時間帯は暑くなる一方だ。

どう考えても、即港に向かうべきなのだが、何故かオイラは1時間駅に留まった。

 

駅舎は蒸し風呂のような暑さで、

1時間の滞在中、何度も隣にある郵便局の冷水機のお世話になった。

そういえば、なんで朝から風呂に入ったんだろう。

これから更に大汗必死だというのに・・・。ダメジャン!(XДX)

予定通り11:30に「西駅」出発。

濃くて短い影。

暑くて重くてダレてくる。 

 

時々道を尋ねながら1時間くらい歩いたところで海岸に出た。

小さな漁船がたくさん並んでいて、桜島が見えた。

デ、デカイ! まるで麓に立っているかと錯覚するほどの大きさだ。

山頂は大きな入道雲に隠れていて見えず。

海岸沿いに今は使われていそうもない、小さな線路が延びていた。

その線路に沿って歩き出す。

 

ずっと行くと、海岸と少し離れた大通りの交差点に出た。

・・・どっちに行けばいいのかまったく分からない。

近くを通りかかったお姉さんに聞いてみると、

「ここからはまだまだ遠くて歩いては行けないからバスに乗った方がいいよ」と言われる。

と、その時クラクションが鳴り、

知り合いらしいお兄さんが「どうしたの?」と車から降りて来た。

お姉さんがかくかくしかじか説明すると、そのお兄さんが

「俺が連れてってやる」と言うので、お言葉に甘えることにした。

なんて偶然!

鹿児島は親切な人が多かった。

 

礼を言って車を降り、港のカウンターにたどり着いたのが1時頃。

「沖縄まで」と言うと、普通に手続きが始まったのでホッとした。

ところが、「9,200円です」と言われて初めて、

大金は万が一の時に取られにくくするため、

バッグの一番下のズボンのポケットに忍ばせておいたのを思い出す。

慌ててその場でバッグの中身をひっくり返してお金を払い、エライ恥をかいてしまった。

自分で取りにくくてどうする!

今でもたまに空港のカウンターで荷物をひっくり返す光景を目撃する度、

あの時のことが思い出される。

 

待合所にはまだ10人くらいしか居なかった。

外は暑いので、待合所でうろついて時間を潰す。

2:30頃、菓子パン2個とブリックパック牛乳2個の昼食。

イスで寝たり、コンテナの積み込み作業を眺めたり、本を読んだりして過ごす。

4:30頃から人が多くなってきて、5時に乗船というので早くから並ぶ人もいた。

オイラはバッグに順番待ちをさせる。

「混雑しているので乗船は5:30から」というアナウンス。

 

時間になり、待合室のドアが開かれて、船内に入るための階段を登ろうとしてギクッとする。

みんな、オイラが持っている電車のキップのような小さいのでなくて、

紙の大きなキップを携えているのだ。

それまでに何度か東京-那覇を船で往復したが、

そういえば、乗船書をターミナルで大きな紙の券に変えてもらっていた。

この券も大きな紙に変えないといけなかったか。

再びカウンターに戻って長い列の最後尾につく。

20分くらい待ってようやくオイラの番になり、キップを出すと、

「これでも乗れるよ?」と言われた。ガーン!

改めて階段の列に戻り、乗船。トホホ。

 

キップの裏にはC-1と記入してあり、二等のC-1区画に入ってよい。ということだった。

遅れてキップを購入した人たちには区画の指定がなく、

廊下、ゲームコーナー、レストランなどに毛布をもらって寝るしかないのだった。

「船はとても混んでいて、席がなくてもいいならキップを買いに来て下さい」。というのは

このことだったのだ。

 

30分遅れで出港。

出港時、たくさんの紙テープが投げられ、別れを惜しむ光景が広がった。

思えば船に乗る時、いつも家族と一緒だった。

見送り、出迎えもあった。

今この船にオイラを知る人はだれもいない。

その夜は何も食べずにそのまま寝てしまった。

 

(続く)

 


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コメント 26

赤と青

ナポリ通りというのがすごい。
いまでもあるのかな。
by 赤と青 (2008-05-28 08:20) 

tooshiba

サバイバーとり師匠の“戦闘能力”の高さに脱帽しますした。<(`・ω・´)

有事の際も生き残れそうでつね。

自分だったら、何度“戦線離脱”していることか・・・
by tooshiba (2008-05-28 08:42) 

Qoo

とりさん、おもしろい!(^O^)
若いってやっぱ良いね~
紙の大きなキップ・・・
人と違うと不安になるよね~(^^)
by Qoo (2008-05-28 11:13) 

くず

万が一の時の為に大金を隠すような人が、その大金の入ったバッグに順番待ちさせるんですかー。
日本が安全な国で良かったですね。
:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
by くず (2008-05-28 12:41) 

masa

とりさんのハンバーガー屋での
武勇伝面白かったです。
船にも無事に乗れてよかったですね!
by masa (2008-05-28 18:06) 

とり

皆様 コメント、nice! ありがとうございます。

■赤と青さん
調べてみたら、あるみたいです。姉妹都市みたいですね。
ちなみに、西鹿児島駅は、2004年から「鹿児島中央駅」に名称変更されてました。

■tooshibaさん
>“戦闘能力”
アハハ、有事にも無理やりハンバーガー作らせたりとか^^

■EF135Lさん
nice! ありがとうございます。

■hiro78さん
nice! ありがとうございます。

■Qooさん
若いって・・・恥ずかしいっ!
まーネタには困りませんね。
>人と違うと不安
そうなんですよね><

■Krauseさん
nice! ありがとうございます。

■くずさん
ナイスツッコミ(^^)bGJ!
この時は、暑いしダルイしで、なんかもう、どうでもよくなってました^^

■masaさん
やっぱここでネタにしてモトを取らないと。
by とり (2008-05-28 20:26) 

いっぷく

高校生の一人旅の手に汗握る旅行の様子がハラハラです。
新鮮な気持ちで行動している様子が行間ににじみ出ています。
by いっぷく (2008-05-28 21:06) 

ハイマン

私もあの頃を思い出してきたぞ~^^
戻れるものなら戻りたい
でもそのときは何気なく毎日過ごして
いたんだよなぁ
あ~もったいなかった~
by ハイマン (2008-05-28 22:26) 

mon

こんにちは
次 次~ヽ(^▽^@)ノ

by mon (2008-05-29 09:10) 

こいし

こんにちは♪
小説みたいで、読みごたえがあって、続きが待ち遠しいです。
ハンバーガーやさんの店員さんとか、どうして「まだ開店前なんですが‥」って言えなかったんでしょう。言わせない何かがとりさんから出てたんでしょうか。
とりさんのオーラ、恐るべし‥
(すみません、あの‥今頃なんですけど、。カード作らせていただいたので、ご都合のよろしい時に見に来ていただけたらうれしいです。ほんとに今頃で‥恐縮ですが)
by こいし (2008-05-29 09:44) 

miffy

時々空港で荷物ひっくり返してる人いますよね。
開店前のお店でも入っていったら注文受けてくれるんですね~
とりさんってよっぽど強面なのかしら(笑)




by miffy (2008-05-29 11:34) 

コスト

鹿児島ぷらつくのはいいですね~、市電と桜島が浮かびます。
>自動ドアは壊れてて ここで普通気づきますよw自動じゃないんだから^^;
>9,200円 今なら格安チケットで福岡ー那覇が軽く買えちゃいますね

>鹿児島は親切な人 こういうのすごく助かるし、うれしいですよね。僕も去年の沖縄で親切な人に会えてうれしかったです。

フェリーは僕も、大阪ー高知でよさこい祭りに当たって、超満員でロビーで毛布で寝ましたが、自販機の音で起きたりしてよく眠れなかったんで、以来ずっと二段ベッドの寝台取るようにしてます。これは、4人部屋でも一人しかいないなら個室になってよかったですよ~。
by コスト (2008-05-29 13:00) 

カンクリ

これが高校生の行動か?!と思うほどオトナですよねぇ~。
それから見たら我が家の愚息は甘え過ぎですな。
まぁ、親が甘えさせているっていうのもありますが・・。(^^;
子離れ出来るのだろうか?>私
by カンクリ (2008-05-29 16:29) 

とり

■xml_xslさん
nice! ありがとうございます。

■いっぷくさん
おおおお、行間まで読んで頂いてりがとうございます~^^

■ぴーすけ君さん
nice! ありがとうございます。

■ハイマンさん
同感です!
自分があの時やっていたことの価値を知りませんでした。
もったいなや~!><

■monさん
アハハ、ありがとうございます。
次は土曜日にアップします。
この旅行記、予想外に作るのに時間かかってますε=Σ( ̄ )

■こいしさん
確かに「一言いってくれよ~」と後から思いました。^^;
店員さんもオイラと同じで小心者だったのかもしれません。

それからカード! ありがとうございます~ヽ(*´ヮ`)ノ

■フェイリンさん
nice! ありがとうございます。

■miffyさん
んー。普通は断りますよね^^;
店内に1人で入るのに緊張してましたから、相手には強面に見えたかもしれません。ほら、理不尽な要求をする人って、断るとなにされるか分からない怖さがあるじゃないですか。ホント、申し訳ないことしました。

■コストさん
>普通気づきますよw
ですよねー。^^;
>フェリー
ふふふ。実は近々2等寝台を利用する計画が・・・。
船を利用する人が減ったのは、ヒコーキの格安チケットの影響が大きいですね。

■カンクリさん
ん~。どの辺がオトナと思われたかわかりませんが、
うちは大家族だったので、基本的に放置でした。
オイラからしたら、ブログを通して垣間見える愛情タップリのカンクリ家が羨ましいですよ^^
by とり (2008-05-29 19:20) 

OILMAN

こんにちは。
とりさんの行動は何か他人事ではない感じがします。
私の若かった頃に似ているのです。
頑張れっ!て応援してしまいますね、この物語は。

by OILMAN (2008-05-30 23:11) 

pica

鹿児島へは何度か行きましたが、桜島を「デカイ!」と感じた辺りが
思春期の心理を表しているように感じました。
オトナの私はそう感じたことがないんです、実を言うと。
決して小さくはないけど、感動するココロがすり減ってるのかな?
by pica (2008-05-31 02:39) 

とり

■そらまめさん
nice! ありがとうございます。

■OILMANさん こんにちは。
そうですか。
似てますか^^;
恥ずかしい思い出ばっかしの人生です。

■picaさん
もしかしてpicaさんは大きな山をたくさん見てこられたんじゃないでしょうか?
当時のオイラは大きな山を見る機会はほとんど無かったんですよ。
数年前に再び桜島を見たのですが、あの頃の感動はありませんでした。
by とり (2008-05-31 09:13) 

an-kazu

いやー、面白い!

 一人旅ゆえの心細さが伝わってきます。
by an-kazu (2008-05-31 09:22) 

sak

鹿児島、数年前まで毎週行っていたので
光景が浮かびます(^^
by sak (2008-05-31 13:40) 

とり

■an-kazuさん
ビギナーだったので、もうドキドキでした^^;

■sakさん
sakさんのことだから、いい店いろいろご存知なのでしょうね^^

■OILMANさん
nice! ありがとうございます。
by とり (2008-06-01 07:37) 

ひろ茶

こうしてとり少年は大人の階段を登ったのですね( ̄▽ ̄) ニヤニヤ
by ひろ茶 (2008-06-01 19:19) 

くず

nice! 押し遅れました f^_^;


by くず (2008-06-01 20:08) 

とり

■ひろ茶さん
>大人の階段
そうそう。そして今では立派なツンデレラに・・・
ってコラ! (*´∀`*)⊃-☆ビシ!

■くずさん
わざわざありがとうございます。
律儀なお方。(*´∀`*)ポッ

■夢空さん
nice! ありがとうございます。

■アスランマリオさん
nice! ありがとうございます。
by とり (2008-06-02 06:50) 

ジョルノ飛曹長

しまった!
とりさんのブログ更新が私の方のSSLに反映されていませんでした。(^_^;;
So-net調子悪すぎですよね。
これからゆっくり読まさせていただきますよー(^o^)/
by ジョルノ飛曹長 (2008-06-02 10:19) 

とり

ジョルノ飛曹長殿
>SSL
ありゃ!そうでしたか。
結構な分量ですが、お付き合いありがとうございます~。
by とり (2008-06-02 22:49) 

とり

さちこさん
nice! ありがとうございます。
by とり (2008-06-04 06:17) 

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