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どれだけ積める?・2 [├クイズ]

先週こんなクイズを出させて頂きました。

 

Q:ジャンボに積むことができる荷物は、最大でどれくらいでしょうか?三択です。

A:約85t  B:約100t  C:約180t

最大離陸重量:395t
運行重量:183t
最大着陸重量:286t
最大ゼロ燃料重量:268t
消費燃料:20t
搭載燃料:30t

たくさんの方にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

今回はイロイロ思うところあってコメント無しにさせていただきましたが、

A,B,Cの中から1つ、選んで頂けましたでしょうか?

 

早速ですが正解は、A:約85t でした。

なぜそうなのか、以下グダグダと。


 

今回の問題、要はペイロード(乗客や貨物)の算出方法をクイズ形式にした訳ですが、

「どれだけペイロードを積めるか」は以下の三つの数字で考えます。

 

1:最大着陸重量

「この重さまでなら、かなり乱暴に着陸しても大丈夫」という重さです。

「かなり乱暴に着陸しても」とは、具体的にはジャンボの場合、

「1秒間に3メートルの沈下率で着陸しても車輪、機体が壊れない」ということです。

(1秒間に3メートル・・・。)

なんとなく想像つくと思いますが、これは通常の着陸ではあり得ない勢いです。

通常接地時の沈下率は1秒間に1メートル(下記リンク参照)なので、大分余裕を見越しているわけですね。

ちなみにジャンボの場合、 最大着陸重量は286t なので、

「1秒間に3メートルの沈下率で着陸しても、重量が286t までならどこも壊れない」

ということになります。

むしろ人間の方が壊れそうです。

 

最大着陸重量が286t なのに対し、

最大離陸重量の方は395t です。

100t 以上の開きがありますが、 

ヒコーキは飛行中に燃料を消費してどんどん軽くなりますので、

着陸する時に286t 以下であればよい。ということです。

 

最大着陸重量による制限の算出には、

目的地まで飛行する間に確実に消費する燃料の重さがカギになります。 

最大着陸重量+消費燃料

という式を使います。

 

最大着陸重量:286t
消費燃料:20t

という条件を当てはめると、

286t+20t=306t

となります。

 

これ以外にも全部で3つの数字を比較し、

最小の数字を元に実際に積める荷物の重さを出します。

というわけで、まだまだ続きますのだ。

 

 

2:最大離陸重量

「緊急時に安全に離陸を中止でき、且つ十分な余裕を持って離陸できる重さ」です。

滑走中にトラブルが発生して離陸を中断する場合、滑走路内で停止できるように

急ブレーキをかけますが、この時足回りや機体に大きな荷重がかかります。

この急制動に耐えられる程度の重さに制限しなければなりません。

更に、「離陸したものの、直ちに着陸しなければならない」

という事態も想定しなければなりません。

1でもちょっと書きましたが、燃料をたくさん積んいて、着陸するには重過ぎる場合、

燃料を捨てて、軽くしてから着陸するのですが、

燃料を捨てる余裕もない場合、

ほとんど最大離陸重量のまま着陸しなければならないというケースだってあり得ます。

その際、そこそこゆっくり着陸すれば、ヒコーキが壊れない重さでなければなりません。

この「そこそこゆっくり着陸」とは、具体的にはジャンボの場合、

395t の重量があっても、1.8m/秒の沈下率までなら、

どこも壊れないように設計されています。

この降下率は、「1:最大着陸重量」 に出て来た、

「3m/1秒」の60%として設定されています。

1で書いた通り、通常の沈下率は 1m/1秒なので、

最大離陸重量のまま、通常の1.8倍の沈下率で着陸しても大丈夫ということです。

すごいですね。

 

更に、「十分な余裕を持って離陸できる」重さでなければなりません。

たとえ離陸中にエンジンが1つ停止しても、

余裕で離陸を継続できる重さに制限されています。

最大離陸重量による制限は、

燃料やペイロードの重量によって変動することなく固定されており、

395t です。 

 

 

3:最大ゼロ燃料重量

「燃料ゼロの時のヒコーキの最大の重さ」です。

どうしてこんな制限が必要になるのかと言えば、

主翼付け根の強度が問題になるからです。

飛んでいる時のヒコーキの重さは主翼が支えているわけですが、

この時、翼の付け根に負荷が集中します。

大きな力がここに集中しますから、あまり無理をさせられないわけです。

 

飛行中、気流が乱れて大きく揺れた時、しなる翼の先端に視線がいき、

(頑張れ~!)と念を送るオイラなのですがような人はあまりいないかもしれませんが、

普段注目されることのない翼の付け根は黙ってずっと頑張っているのです。 

付け根のことを時々思い出してあげるべきです。

 

付け根にかかる負荷は、乗客、荷物など、胴体内に何かを乗せるごとに増えていきます。

付け根部分の強度以上に乗客、荷物を詰め込んだ場合、

重さに耐え切れずに、最悪翼が万歳してしまいます。

そんなわけで、「最大ゼロ燃料重量」という制限を設け、

燃料ゼロの状態で、ヒコーキ全体がこの重さまでなら、人や貨物を積んでも大丈夫。

と決めています。

 

面白いのは、この最大ゼロ燃料重量と燃料の関係です。

燃料は普通主翼に入れるわけですが、

燃料の重さは、飛行中付け根にかかる負荷とは逆に作用します。

つまり、100t の燃料を入れると、100t 分、付け根の負担が軽減されます。

燃料は、主翼がめくれ上がるのを防ぐ、重石のようなものですね。

 

ちなみにジャンボの最大ゼロ燃料重量は268t です。

言い換えるなら付け根部分の強度上、

主翼が安全に持ち上げることができるのは268t まで。ということです。

それでも現実には最大395t の重量でも飛び上がることが出来ています。

これは、燃料の重さが付け根の負担を減らしているからこそです。

 

「ゼロ燃料」の268t は、最大離陸重量の395t と比較すると、

大分低く設定されているように見えますよね。

当然付け根部分をもっと強化すれば、より多くの人、物が運べるわけですが、

その分機体が重くなり、性能やコストに悪影響が出ます。

実際に運用する際の様々なバランスを考えて、

この数字に落ち着いているということなのでしょうね。

 

条件によっては、燃料を意図的に大目に搭載し、 

最大ゼロ燃料重量以上に人や物を積んで飛ぶことは可能なのですが、

例えば、目的地周辺の天気が急に悪化したりなど、

着陸が予定より大幅に遅れてしまった場合、燃料がどんどん減っていき、

最大ゼロ燃料重量を相殺していた分の燃料まで使ってしまうことだってあるかもしれません。

ここでも十分の余裕を見越しているでしょうから、ちょっと位制限をオーバーしても、

即、主翼がもげるとかはないでしょうけど、

例えば旋回時には余分な荷重がかかりますし、

突風が吹いて瞬間的に負荷がかかった時など、

空中で主翼が万歳することになりかねません。

非常に危険ですので、ゼロ燃料制限はきちんと守った方がよいです。

 

最大ゼロ燃料重量による制限は、

最大ゼロ燃料重量+搭載燃料

という式で算出します。

最大ゼロ燃料重量:268t
搭載燃料:30t

という条件を当てはめると、

268t +30t =298t

となります。

これでやっと3つの数字が出揃いました。

 

最大着陸重量制限:306t

最大離陸重量制限:395t

最大ゼロ燃料制限:298t ←

この中で最小値は、 最大ゼロ燃料制限:298t ですので、

これが今回のケースの最大許容離陸重量になります。

この298t の中で、ヒコーキの重さ、燃料、そして肝心の荷物をうまく配分します。

具体的にはこの298t から運行重量、搭載燃料の重さを引き、

残った分が搭載可能なペイロードの重量となります。

 

ちなみに「運行重量」とは、機体に作動油、潤滑油、救命具、乗員とその荷物、

必要な食料、水など運行に必要なものすべてを積み込んだ重さのことです。

後は燃料と乗客、荷物を積むだけの状態ですね。 

条件を当てはめると、

298t -183t -30t =ペイロード  となり、

ペイロード=85t

となります。

ということで正解は、A:約85t でした。

説明は省きますが、残りのBとCにはそれぞれ、

「急いで計算すると多分こうなるだろうなぁ」

というフェイクの数字を入れました。(o ̄∇ ̄o)ニヤ

 

こうしてペイロード算出について細かく見てみると、

ヒコーキは一見非常に不経済と思えるほど十分な余力を残して安全性を確保しているんだなぁ。

というのがオイラの印象です。

 

最後に余談を2つ。

・ジャンボで成田~ニューヨークを飛行する場合、

おおよそ搭載燃料:160t 、消費燃料:130t  なのだそうです。

ジャンボには最大174t の燃料を搭載できますから、160t はほとんど満タンですね。

上述の式を当てはめると、ペイロードは最大52t まで搭載可能です。

クイズで考えた例題とは、燃料の搭載量が5倍以上違うにもかかわらず、

ペイロードの方は4割弱の減少にとどまっています。

 

・燃料が増えれば搭載可能なペイロードは単純に減る一方なのではなく、

搭載燃料、消費燃料の微妙な差によって、3つの制限のどれが当てはまるかが変わり、

「燃料が増えたのに、ペイロードも増やせる」というケースもあります。

 

どちらの例も、各制限値の設定が絶妙のバランスということなのでしょうね~。

 

 

この記事の資料     


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どれだけ積める?・1 [├クイズ]

久々にクイズです。

よろしければお付き合いくださいませ。


隣国で自然災害が発生しました。

あなたの役目は、

ジャンボにできるだけたくさんの緊急支援物資を積んで届けることです。 

 

Q:ジャンボに積むことができる荷物は、最大でどれくらいでしょうか?三択です。

A:約85t  B:約100t  C:約180t

 

機種は747-400で、データは以下の通りです。
(数値は機番によって差があるのですが、こちらを使わせていただきました)

最大離陸重量:395t
運行重量:183t
最大着陸重量:286t
最大ゼロ燃料重量:268t
消費燃料:20t
搭載燃料:30t

 

今回はコメント欄を閉じさせていただきます。

クイズにお付き合いくださる方は、答えを胸の内に留めておいてください。

このクイズについてのツッコミ、疑問などありましたら、前記事にお願い致します。

続きは一週間後!


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どっちが早い?・2 [├クイズ]


 

 Q:先にB地点上空に到達し、管制官に報告を入れたのはどちらでしょうか?三択です。

A:高度10キロのヒコーキ 

B:高度5キロのヒコーキ 

C:同着だったので、せっかちな方のヒコーキ  

 


山などの障害物、風の影響はないものとします(全域無風状態)。

 

先週こんなへんてこクイズを出させていただきました。

今回も沢山の方にお付き合い頂きまして、どうもありがとうございました。

ちょっと考えると、対気速度計の針が同じ位置にあるのですから、同着になると思いますよね?

ところがヒコーキの対気速度計は何人かの方が書いてくださっている通り、地表面では正確な速度計なのですが、高度が上がるごとにどんどんズレていきます。

しかもこのズレ方がハンパでなく、例えば高度10kmの場合、速度計の針が200km/hを指していたとしても、実際には350km/hくらい出ています。

ジャンボの実用上昇限度は高度約12km(4万フィート)ですので、目いっぱい上がればこの差はさらに開くことになります。

なぜそんなことが起きてしまうのかといいますと、対気速度計がそういうしくみになっているからです。

対気速度計は、「ピトー管」というストロー状のものを使って計ります。

しくみを極めて大雑把に言いますと(詳しくは他のサイトでご確認ください)、ピトー管の中に入ってくる空気にどの位「押す力」があるかを計り、これを元に対気速度計の針を動かしています。

ここで重要なのは、ピトー管に入ってくる空気の速度を計っているのではなく

飽くまで「押す力」を計り、その力を「速度」として示しているという点です。

「それじゃ速度計じゃないジャン」と思われるでしょうが、確かにコレは車やバイクの速度計とは性格がまったく異なります。

それで、空気の速度(実際の速度)を、
「真対気速度(TAS:Ture Air Speed)」

対気速度計に表示される”速度”を、
「指示対気速度(IAS:Indicated Air Speed)」と呼び、区別しています。

 

空気は上空にいくほど薄くなります。

「空気が薄くなる」とは、「空気の粒が少なくなる」ということです。

例えば、ヒコーキが同じスピード(真対気速度)を保ったまま高度を上げていったとします。

すると、ピトー管の中に飛び込んでくる空気の粒の速さは変わらないのですが、

飛び込んでくる粒の数が減ります。

すると「押す力」が弱くなってしまい、速度計の針は下がっていくのです。

空気の粒の数が減っても「押す力」を変えないためには、

粒が早く飛び込んでくれば良い、つまりヒコーキの速度を上げてやればよいことになります。

 

それで速度計の針が同じ位置にある場合、高いところを飛んでいるヒコーキの方が実際には早く飛んでいることになります。 

ということでクイズの正解は

 A:高度10キロのヒコーキ 

 でした。

 

高度が上がるごとに実際の速度からどんどん大きくズレていってしまうわけで、

一見無意味な計器のような気もしますが、ヒコーキが飛べるのは空気のおかげなので、地面との関係よりも空気との関係の方が重要です。

見方を変えるならこの計器は、「高度がどんなに変化しても常に空気との関係を正確に示す」。とも言えます。

一例として、ヒコーキの揚力はこの「押す力」に比例しており、例えばこの速度計で200km/hで失速するとすると、高度がどれだけ変わろうが、この速度計で200km/h以上出ていれば大丈夫。という具合です。

 

ところでクイズのヒコーキですが、具体的にどのくらい早く到達するかといいますと、 

10キロ上空を飛んだヒコーキが
5キロ上空を飛んだヒコーキよりも、
2分20秒早くB地点に到達し、管制官に連絡します。

計算方法を下に書いてみましたので、興味のある方は覗いてみてください。  

ただし、普段は使わない言葉、数字がいっぱい出てきますのでご了承くださいませ

                                             

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どっちが早い?・1 [├クイズ]

しばらくヒコーキの話題から離れていましたが、

久々にヒコーキのクイズを考えてみました。

よろしければどうぞお付き合いくださいませ。

 


 

現在A地点上空を飛行中の2機のヒコーキがあります。

一方のヒコーキは高度10キロ、

もう一方のヒコーキは高度5キロで飛んでいます。

2機とも100キロ先のB地点上空に向けて、真っ直ぐ飛んでいます。

そして2機とも、対気速度計の針はピッタリ同じで、500km/hちょうどを指しています。

2機のヒコーキは管制官から次のような指示を受けました。

 

・B地点に直行せよ。

・現在の速度、高度を維持せよ。

・B地点に到達したら報告せよ。

 

2機のヒコーキは、管制官からの指示をキッチリ守ってB地点に向かいました。

 

図にするとこんな感じですかね。

すっかり前置きが長くなってしまいましたが、それではクイズです。


 

Q:先にB地点上空に到達し、管制官に報告を入れたのはどちらでしょうか?三択です。

 

A:高度10キロのヒコーキ 

B:高度5キロのヒコーキ 

C:同着だったので、せっかちな方のヒコーキ  

 

 

 


山などの障害物、風の影響はないものとします(全域無風状態)。
ヒコーキ好きの方にとっては単位が許せないかもしれませんが、ご容赦くださいませ(単位が変えてあることに深い意味はありません)。

 

今回トンチクイズじゃないです。

真面目な問題です。

下にヒントがあります。

「自力で頑張る!」という方は見ないでドゾー。

続きは1週間後! 

 

                          

 

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ヒコーキは空中で停止、バックできる?・2 [├クイズ]

先週こんなクイズを出させていただきました。


 

Q:ヒコーキが空中で静止したり、バックしたりすることは可能でしょうか?三択です。

    A:可能  B:不可能  C:NY原油先物相場次第


 

毎度へんてこクイズにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

早速ですが、正解は、

A:可能

です。

正解よりも敢えて笑いを取りにいく方が結構おられましたですね。

今回は可能か、不可能かの事実上二択で、Cは突拍子のない言葉なら、「おでん」でも「かゆい」でも何でも良かったのですが、NY原油先物相場次第という言葉であまりにも上手くボケて下さる方が多くて、ビックリでした。 

オイラに見習ってもっと真面目になってください

では早速ですが。

ヒコーキを静止、バックさせるのは、実はとっても簡単なんです。

 

 

トーイングカーで  押せばバック、止まれば静止。

ね?実に簡単です

 

 

 

 

 

 

 

 

ウソです。怒らないでください。

 

 

気を取り直して、ちゃんと真面目に。

コメント欄でたくさんの方が書いてくださった通り、

強い向かい風に向かえば、静止もバックも可能です。

いまいち納得できない方もおられるでしょうが、オイラがツベコベと説明するよりも、実際に映像を見ていただいた方が百万倍説得力があると思います。

ということで、こちらをご覧くださいませ→ 

 

なんだか凧みたいですね。

地上から見ていると、まるでヒコーキが空中に止まっているように見えますが、

ヒコーキは強い向かい風の中でプロペラを回し、ちゃんと飛んでいます。

このようにどっち視点で見るかによって、「止まってる」、「ちゃんと飛んでいる」という風に話が違ってきます。

どれだけの速さで風を切って飛んでいるかという、ヒコーキ視点の方が「対気速度」で、地上視点が「対地速度」ですね。

この映像でいいますと、ヒコーキは飛び続けるのに十分な 「対気速度」を出していますが、

この対気速度と、非常に強い向かい風が釣り合って、「対地速度」はゼロとなっています。

 

 

ところでヒコーキには、「最低これだけの速度を出していないと落ちてしまう」という速度(失速速度)があります。

仮にその速度が対気速度、時速80キロだとしましょう。

そして都合よく、時速100キロの向かい風が吹いているとします。

この風に向かって対気速度、時速100キロで飛べば、地上から見ているとまるで止まっているように見えますし、

対気速度80キロで飛べば、地上からは時速20キロでバックしているように見えます。

 

このように、パイロットが「今、時速100キロで飛んでマス」と言ったとしても、それは「時速100キロの速さで空気を掻き分けている」ということに過ぎず、

風向、風速によって対地速度はいかようにも変わってしまいます。

 

 

ここで「対地速度、対気速度」ネタを2つ。

第一次大戦当時のパイロットの手記だったと思うのですが、「目的地に向けて編隊を組んで飛んだが、1時間近く飛んでも、地上の風景がほとんど変わらなかった」というものがあります。

強い向かい風に阻まれてなかなか進めなかったということなんですが、ヒコーキの最高速度がまだまだ遅かった当時ならではの話ですね。 

 

もう1つ、旅客機に乗っていて、外気温、到着予定時刻などの「飛行状況画面」をご覧になったことがあるでしょうか?

あの画面には速度も表示されていますが、この場合の速度は加速度から算出しており、非常に正確に対地速度を示しています。

ですので、旅客機の巡航速度は900キロ前後なのですが、強い向かい風の中ではすごく遅くなりますし、強い追い風に乗っていれば、時速1,000キロを大きく超えていることがあります。


 

最後になりますが、空中で静止、バックできるのは果たして小型ヒコーキだけなのかどうか、ジャンボを例に考えてみましょう。

ジャンボの着陸速度は、通常時速260キロです。

着陸速度は、安全を見越して設定されており、失速速度の1.3倍以上でなければならないと決まっています。

ということで、ジャンボは時速200キロ位なら浮んでられるだろうと予想できます。
(200×1.3=260)

コメント欄にカキコしてくださった中に、「ジェット気流」が出てました。

ジェット気流がより強くなる冬場は、時速300キロにもなるのだとか。

それで、仮にジャンボが時速300キロのジェット気流に正対してスロットルを絞り、フラップを出して時速200キロまで減速すると、地上からは、 時速100キロでバックしているように見えます。

ということで、ジャンボでも、空中で静止、バックは可能です。

あり得ないことですが、お客を乗せたジャンボが飛行ルート上でこれをやったら、管制官は腰を抜かすでしょうね。

追突事故が起きそうです


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ヒコーキは空中で停止、バックできる?・1 [├クイズ]

突然ですが、またまたクイズです。


 

Q:ヒコーキが空中で静止したり、バックしたりすることは可能でしょうか?三択です。

 

    A:可能  B:不可能  C:NY原油先物相場次第

 


クイズを出す時、いつも質問が漠然としていていろんな憶測を生んでしまっていますので、今回はキッチリと条件付けをしてみます。

まず、「空中で静止、バック」というと、ミリタリー系ヲタ・・・いえ、ファンの方ですと、すぐにハリアーとかオスプレイを連想するでしょうが、垂直離着陸機の類は除外です。

特殊な装置を持たない普通のヒコーキにそういうことが可能でしょうか、ということです。

次に、曲芸飛行ファンの方ですと、垂直上昇→速度ゼロ(静止)→落下が始まる(バック)→回復 という業を連想するでしょうが、そういう特殊機動も除外です。

普通の機体、普通のパイロット、普通の乗客が普通に乗ってて、そういうことが可能でしょうか?

 

「これだ!」と思うものを1つ選んでコメント欄にカキコしてくださいませ。

「可能か、不可能か」なんてことをわざわざクイズにする位ですから、正解はすぐに予想がつくと思います。

それですから、今回は特に「なぜそう思うか」もなどもよろしければお書きくださいませ(ボケ大歓迎)

 

それから今回からヒントも追加することにしました。

「自力でがんばる!」という方のために、見えにくくしました。

続きは1週間後にアップします。

そして最後になりますが、次の記事で正解を読んでも、

 

怒らないでください(謎 

 

ヒントをご覧になりたい方は、こちらをどうぞ↓

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ジャンボのエンジンが倍になったら・2 [├クイズ]

先週こんなクイズを出させていただきました。


 

Q:ジャンボのジェットエンジンを倍の8コに増やし、全開にしたとします。従来機と比較して最大速度はどうなるでしょうか?三択です。

A:すんごく早くなる  B:あんまし変わらない  C:遅くなる


 

以前、「出力は速度の三乗に比例する」→ という記事を書きました。

記事の中で書いたゼロ戦のエンジン換装にはこの公式がきっちりとあてはまりました。

今回のクイズにこの公式をあてはめますれば、エンジンを倍にしたジャンボは26%の増速(1.26×1.26×1.26=2.00)となるのですが、残念ながら今回の問題にはこの公式はあてはまりません。

なぜかといいますと・・・実はこれ、まずはジャンボのエンジンのしくみから話を始めなければなりません。

・・・と書いた時点でターボファンエンジンのしくみをご存知の方はピンと来たと思います。

その場合は、下の方に青の太文字正解が書いてありますのでご確認くださいませ。

 

   ■       ■       ■       ■       ■       ■

 

ジェットエンジンの原理は自動車用のエンジンと同じで、

「圧縮した空気に燃料を加えて火をつけると、激しく燃焼する」

というものです。

自動車の場合、この爆発の勢いを回転運動に変えてタイヤを回しますが、ジェットエンジンの場合は激しい燃焼を排気ノズルから吹き出し、その反動を利用しています。

ジェットエンジンのしくみが知りたいと思われた方は、子供向けの「乗り物図鑑・ひこうき」のようなものを見るのが1番分かりやすいと思います。

ところでこの排気ガス、ものすごく細くて早いです。

「早くて結構じゃあないか」

と思うかもしれませんが、実はそう結構なことでもないです。

手漕ぎボートをこいだことあるでしょうか? 

・・・え?

ありませんか?

そうですか・・・。

(無視して)あのボートに例えるなら、ちょうどオールの代わりに竹ざおで一生懸命こぐのに似ています。

いえ、オイラも竹ざおでこいだことはないです。

でもオールを使う時と比べて、すごく軽く、早くこげそうだということはすぐ想像がつきます。

そして、肝心のボートはちっとも進まなさそうなのもすぐに想像がつきますよね?

竹ざおをどんなに早く動かせても、水をうまくとらえられず、空回り(水回り?)してしまいます。

ではどうするか? 

やはりオールを使った方がしっかりと水をとらえることができます。

オールは重くてゆっくりとしか動かせませんが、結果的には竹ざおを使う時と比べて早くボートを動かすことができます。

ジャンボのエンジンもこれとまったく同じです。

排気ノズルから出てくるガスは細くて高速で、空回りしてしまいます。

ではどうするか? 

太くてゆっくりにしてやればよいことになります。

それをするのが、よく目立つあの大きなファンです。

 

これはジャンボのエンジンなのですが、つつの中に大きなファンがありますよね?コレがそうです。

排気ノズルから出てくるガスと比較して、このファンを回して発生する風の流れは、ゆっくりですが大量の空気を動かすことができます。

そして、飛行速度と排気速度の差が少ないほど、効率よくヒコーキを飛ばすことができます。

写真のエンジンはCF6というエンジンなのですが、ファンによって加速された空気のほとんどはエンジン内部を通らずにそのまま推力として利用されます。

ファンの中央に大きな目玉のようなものがありますが、この周辺の空気だけが圧縮され、燃焼室に入ります。

燃焼室に入っていく空気は全体のたった2割弱です。

残りの8割強の空気によって、推力全体の約75%を発生させています。

ファンで発生させる推力の割合がこれだけ大きいと、もはやエンジン部分は「ファンを回すための装置」とでも表現した方がしっくりくるくらいです。

そうなんです、実はある意味、ジャンボはプロペラ機だったのです。

プロペラで出せる速度には限界があります。

そういうしくみのジャンボのエンジンをどんなにたくさん取り付けたところで、得られる効果は限られています。

ということで正解は

 B:あんまし変わらない  

でした。

 

実は、ジャンボにエンジンをたくさんつけても効果がない理由として更にもう1つ、「揚抗比」というのがあります。 

詳しい説明はこちら→ にありますので興味がある方はご覧ください(手漕ぎボートの例えもここから頂きました)。
(追記・最初のリンク先がつながらなくなってしまったので、「航空実用事典」の該当項目に変更致しました)

「揚抗比」について結論だけ言いますと、ジャンボは最大巡航速度のM0.85を越えると、急激に抗力が増加してしまいます。

M0.85までは、出力を増やせばそれに見合っただけのスピードアップができるのですが、M0.85から先は、どれだけエンジンをフカしても、まるで巨大な力で押さえ込まれているように、ほとんど速度は上がらないという状態になってしまいます。

 

それから最後にもう1つ、「最大限界運用速度」というのがあり、ジャンボは最大巡航速度を超えるとすぐにこの速度に達してしまいます。

この速度を超えると、飛行が不安定になったり、機体構造に損傷を与えたりという危険が生じるため、やっぱりすんごく早く飛ぶというのは無理なのでした。

 

このようにジャンボは、プロペラのエンジンと、M0.85で急激に抗力が増大する特性の翼、いろいろ不都合の出る構造をしており、どうあがいても速度の増加はほとんど見込めないのです。


 

今回もへんてこクイズに大勢の方がお付き合いくださった上に、推理を働かせていろいろなコメントを頂きました。本当にありがとうございます。

コメントで1番多かったのが、「エンジンをたくさん付けた事による重量増加」でした。

ジャンボ用のエンジンの重さをいろいろ探したのですが、残念ながら見つけられませんでした。

その代わり、B787用の「トレント1000」という、ジャンボ用よりもちょっと力の大きいエンジンの重さは、1基5.4t でした。

仮にジャンボ用のエンジンの重さが5t だとすると、20t (5t×4発)の重量増となります。

一方、ジャンボの翼には約160t の燃料を入れることができますし、最大離陸重量は約400t です。 

重量の増加は確かに速度にとってマイナスに働きますが、全体で考えると、その影響は微々たるものだと思います。

 

空力悪化、エンジン同士の干渉と書いてくださった方もおられましました。

確かに、エンジン同士の間隔が狭いと、エンジンの造波抵抗(でいいのかな?)同士が干渉し合い、空気の流れをせき止めるダムのようになりそうな気がします。

B-52のように2つのエンジンをまとめるとか、An-225のように間隔を十分に取るとか、付け方には工夫が必要だと思います。

 

 

最後になりますが、ジャンボってなんでこんな制限、限界のあるヒコーキなのかといいますと、

高速飛行に向かないエンジンなのも、翼の特性も、巡航速度を超えるとすぐにフラついたり壊れそうになったりするのも、すべては

「高空を遷音速で、しかも効率よく
ということに特化した設計になっているから。ということでした。 


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ジャンボのエンジンが倍になったら・1 [├クイズ]

急にクイズを思いついたので出させていただきました。 

 


 

Q:ジャンボのジェットエンジンを倍の8コに増やし、全開にしたとします。従来機と比較して最大速度はどうなるでしょうか?三択です。

 

A:すんごく早くなる  B:あんまし変わらない  C:遅くなる

 


「これだ!」と思うものを1つ選んで、コメント欄にカキコしてください。

正解は1週間後


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旅客機の酸素マスク・2 [├クイズ]


 

Q:旅客機は緊急時に酸素マスクが降りてきますが、その酸素はどうやって供給されるでしょうか?三択です。

A:ジェットエンジンの圧縮空気  B:化学反応  C:酸素ボンベ


 

先日こんなクイズを出しました。

今回もたくさんの方にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

さっそくですが、Aの、「ジェットエンジンの圧縮空気」

というのは、通常機内に空気を送るための方法です。

酸素マスクから送られる空気も、ジェットエンジンの圧縮空気を用いる方式にするとなると、飛行中エンジン停止という事態になった場合、大変なことになります。

そういうことも想定し、別系統の方式で酸素を供給するのだと思います。

ということで、Aの方残念でした。

 

正解は、BとCです。

Bの化学反応は、

「塩素酸ナトリウムと、分解触媒となる鉄の鑢屑による化学反応」

だそうです。

書いててもちっとも分かりません

化学式が書ける方だと、「ああ、なるほど。」と納得なのでしょうね。

オイラが調べた範囲では、この化学反応方式を採用する旅客機が非常に多いのですが、この方式のデメリットとして、化学反応の過程で熱が発生してしまうために送られる酸素が熱く、場合によっては吸い込んだ乗客がやけどしてしまうこともあるのだそうです。

そのため、DC-10は途中からCの酸素ボンベ方式に切り替えたのだとか。

ちなみにBの化学反応方式を採用する旅客機の場合でも、医療用の小型ボンベは積んでいるそうです。

 

ネットで酸素マスク関連を調べてみると、酸素マスクが出るということは、ものすごく危険な状態だというイメージが強いみたいですね。

「酸素マスクが降りてくるという事態は、もう墜落したも同然なのだから、
酸素マスクを出してパニックを演出する必要などないのではないか」

というような意見も結構ありました。

確かに映画では、機内のパニック演出のアイテムとして、酸素マスク落下はお約束です。

旅客機は高度30,000フィート(約10km)前後を飛行することが多いですが、機内が12,000フィート以上(約4km)相当の気圧になると、自動的に酸素マスクが降りてきます。

酸素がなければ当然生きていられませんが、例えば機内が高度30,000フィート(約10km)相当まで減圧してしまった場合、意識が保てるのはたったの90秒間だそうです。

そんなわけで、「他の人を助けたければ、まず自分が酸素マスクをつけろ」
というのが鉄則なのだとか。

離陸前に緊急時の対応説明のビデオが流されますが、幼いわが子をほったらかしで、真っ先に自分が酸素マスクをつける親のシーンが登場します。

あれは決して子供より我が身を優先しているのではなく、共倒れを防ぐための理にかなった手順なのだそうです。

 

化学反応にしろ、ボンベにしろ、貯めてあるものを放出するわけですから酸素を供給できる時間には限りがあります。

パイロットはそういう事態になった時、供給が止まってしまう前にできるだけ速やかに安全な高度(10,000フィート以下)まで下げることになっています。

10,000フィート(約3.3km)といえば、富士山頂より低いですから、なんとかなりそうです。

以前も書きましたが、飛行中に突然すべてのエンジンが止まっても、無事に全員無傷で滑走路に降り立った事例もあります。

ヒコーキが宙に浮いている間はまだ生き残れる可能性はゼロではありません。

酸素マスクが降りてくるという事態になった場合、ともかくマスクをつけないと、生き残る可能性を自ら放棄してしまうことにもなりかねません。

 

マスクが降りてきたら、遠慮なく我先につけましょう。

それから周りの人の手伝いをしましょう。

熱くて少しくらいやけどしたって、意識を失ってそのまま死んでしまうよりはマシです。


実はオイラ、旅客機は化学反応方式のみで、酸素ボンベではないと思ってました。

ところがしまふくろうさんからのご指摘を受け、調べ直してみましたらば、上のようなことが判りました。

しまふくろうさん、ありがとうございました


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旅客機の酸素マスク・1 [├クイズ]

注:この企画、失敗です でも一応正解は含まれてますので、よかったら好きなこと書いてってくださいませ。すみません。

 

久々にヒコーキクイズです。 


 

Q:旅客機は緊急時に酸素マスクが降りてきますが、その酸素はどうやって供給されるでしょうか?三択です。

 

A:ジェットエンジンの圧縮空気  B:化学反応  C:酸素ボンベ

 


「これだ!」と思うものを1つ選んで、コメント欄にカキコしてください。

正解は12/23(土)


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各交通機関の燃費・2 [├クイズ]


 

Q:なぜジャンボは(あのスピードの割りには)あんなに燃費が良いのでしょう?

 

A:空を飛ぶから B:とんがってるから C:軽いから

(注:最も決定的な答えを1つお選びください)


前回こんなクイズを出させていただきました。

毎度ヘンテコなものにお付き合いいただきまして、ありがとうございます。

 

では早速なのですが。

少し前に書いた「車が時速1,000キロで走るには・2 」という記事→ の中で、

「出力は速度の三乗に比例する」

という公式のことを書きました。

これは空気抵抗のことを表したもので、

速度が上がるにつれて、如何に空気抵抗によるエネルギーのロスが大きくなるかを示しています。

各交通機関がヒコーキ並みの速度を出そうとすると、

重さ、大きさが変わらないとしても、何十倍~何千倍も出力を増さねばならない、というのは、この公式に拠っていました。

 

ところで、クイズの中でわざわざ、「ジャンボは」と書きました。

別にジャンボでなくてもいいんですが、

ジェット旅客機は通常約10キロ位の高さのところを飛んでいます。

空気は高い所ほど薄くなります。

高度10キロではどのくらい薄いかといいますと、

0.27気圧なくらいの薄さです。

地表の濃いィ空気を掻き分けて進む他の交通機関とは異なり、

非常に薄い空気の中を飛ぶジャンボは、三乗の呪縛から開放されているわけです。

(完全に開放されたら飛べませんけど)

 

というわけで正解は、

A:空を飛ぶから

でした。 

 

 

(注:以下はマニアックで、しかも非常にグダグダな内容になってますが、一応BとCについてです。よろしければどうぞ。でも本当にグダグダですよ) 

 


 

B:とんがってるから 

についてなのですが。

新幹線の「500系」と聞いて、すぐイメージできますでしょうか?

最近悲しい発表があった 、あの戦闘機みたいにとんがった、ガンメタの新幹線です。

カモノハシ型の「N700系」と比較してみますと、

共に16両編成、営業最高速度は両者とも300km/h ですが、

総出力は、

戦闘機「500系」が 18,240kwなのに対し、

カモノハシ「N700系」は 17,080kwとなっております。

 

「せまい」、「乗れない」と、乗客からも身内からも不評なほど先頭がとんがっていて、車内が狭いにもかかわらず、 「500系」の方が総出力が大きい=より多くのエネルギーが必要なのです。

もっとも、速度が同じと言っても、営業速度が同じというだけで、実力的には、 「500系」は「世界最高水準の性能」なのだそうですが。

しかし、「500系」が世界最高水準の性能を隠し持っていることを差し引いたとしても、あれだけ先頭を鋭く尖らせ、車輌をコンパクトにしたからといって、ビックリするほど効率が良くなるわけではありません。

余談になりますが、実は新幹線全体に発生する抵抗のうち、先頭車両の形状により発生する抵抗の割合はたったの1割程度で、残りの約9割は長い車両全体から発生するのだそうです。

では、「500系」はなんのために先頭をあんなに尖らせているかというと、テツの方はよくご存知と思いますが、

狙いはカモノハシと同様で、スムーズにトンネルに入るためという意味合いの方が大きいのだそうです。

ということで、 

B:とんがってるから 

は消えました。

 

次に、 

C:軽いから

です。

ちょっとここで、新幹線0系と700系を比較した数字を並べてみます。

0系と比べて 700系は、

空気抵抗:31%減少
車両重量:27%減少 
で、結果として、(同一条件での)消費電力:34%減少 

となりました。

もちろんこれはこれでスゴイことなんですが、以前の記事で何度か書いたとおり、

地表で速度を増すには、出力が三乗倍で増えてゆき、

ヒコーキと他の交通機関で比較するならば、数百倍~数千倍の出力アップとなります。

それで、Aの、空を飛ぶことによる空気抵抗の減少による効果と、

Cの、軽いことによる効果の数字の変化の度合いを比較すると、

やっぱりAの方が決定的になると思います。

 

こんな感じだと思います。

よく分からない説明ですみません。

 

続きます。


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各交通機関の燃費・1 [├クイズ]

前回の記事で、各交通機関がヒコーキ並みの速度を出そうとした場合、

形、重さが変わらないとしても、

新幹線:37倍

車:1,000倍

船:6,000倍

の出力が必要で、現実的に考えるなら少なくともこの数倍は必要なはず

と書きました。

燃費は出力の増加に比例しますので、当然出力増加に伴って燃費の方も悪化します。

  

それではここでまたまたクイズです。


Q:なぜジャンボは(あのスピードの割りには)あんなに燃費が良いのでしょう?

 

A:空を飛ぶから B:とんがってるから C:軽いから

(注:最も決定的な答えを1つお選びください)


「これだ!」という答えが分かった方は、是非コメント欄にカキコしてください。

続きは来週の水曜日! 


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車が時速1,000キロで走るには? ・2 [├クイズ]

 

前回クイズを出させていただきました。

 


 

 

Q:時速100キロで走行する車が時速1,000キロ出すためには、出力を何倍に増やす必要があるでしょうか?

 

A:100倍 B:1,000倍 C:1,000倍以上

 

(ヒント:現実的にお考えください)


またまたたくさんの方にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。 

 

早速答えなのですが

何人かの方がカキコしてくださいましたが、

時速100キロで走っている車が、

時速1,000に増速しますので、

速度が10倍になる

ということになります。

ですので考え方としまして、

「速度を10倍にするためには、出力を何倍にすればよいか」

ということになります。

このような場合には、

「出力は速度の三乗に比例する」という公式を使います。

「え?そんな公式あるの?」と思われるかもしれませんが、

あるんです。

早速この公式を使う前に・・・

↓ちょっと脱線します。 

 

(ここは完全に余談ですので、読み飛ばして頂いてもまったく問題ありませんよ)

 

余談:「出力は速度の三乗に比例する」という公式の実用例

 

ゼロ戦の初期型(21型)は、「栄12型」というエンジンを積んでました。

エンジン出力:940馬力

最大速度:533km/h

という性能でした。

 

ゼロ戦の後期型(52型)は、「栄21型」というエンジンに換装し、

エンジン出力:1,130馬力

最大速度:565km/h

という性能でした。

 

21型と52型を比べますと

出力20%upに対し、速度は6%upということになります

これを「出力は速度の三乗に比例する」の公式に当てはめてみますと、

1.06×1.06×1.06=1.19

となり、この公式による計算上でも、

「出力19%upに対し、速度は6%up

という数字が出ます。

実際には「出力20%upに対し、速度は6%up」を実現していますので、

計算よりも1%分効率が悪くなっているように見えますが、

後期型は初期型と比べて約200kg自重が重くなっています

そのことも考え合わせると、この公式はほぼ完璧に実例通りと言えましょう。

つまり一言で言うと、

「この公式はすごく正確!」ということです。(余談おわり)

 


 

 

早速この「出力は速度の三乗に比例する」という公式を使ってみます。

速度が10倍になるわけですから、

10の三乗倍で必要な出力がでることになります。

必要な出力は、

10×10×10=1,000で、

出力は1,000倍必要ということになります。

というわけで、 A:100倍 と予想された方、ゴメンなさい。

今回「A」と予想された方が圧倒的に多かったです。

そりゃそうですよね。

速度が10倍ですから、出力を100倍も増やせば十分過ぎる気がします。

この公式は、風速と、風力エネルギーの関係を表したものと言い換えることもできます。

今回の例で言えば、ちょっとした速度の増加が、如何に空気抵抗という形でエネルギーを奪うか、ということになります。

奪いすぎだよ!

という感じですが、例えば風力発電ではこれが逆に作用し、

ちょっと風か強くなると、三乗倍に比例して発電量が増える、ということにもなりますので、許してください。 

 

では、 B:1,000倍 が正解かといいますと、そうでもありません。 

「出力は速度の三乗に比例する」という公式からは、

「車の形も、重さも変わらなければ」

という条件付の答えしか導き出せません。

しかもこの計算には、空気抵抗のことしか含まれていません。

(ヒント:現実的にお考えください)

というのは、そういうことでした。

このヒントも、かえっていろいろと悩ませてしまう原因になってしまいましたね。

 

高速になればなるほど、車全体に発生するいろいろな抵抗のうち、空気抵抗の占める割合がどんどん増えていくのですが、車の場合、他にも「タイヤのころがり抵抗」が上乗せされます(こちらも速度に比例して多少増加)。

というわけで、 B:1,000倍 と予想された方、ゴメンなさい。

 

ではもっと具体的に考えてみましょう。

1トンそこそこの普通の車のエンジンをどんなにフカしても、時速100キロで巡航している時の1,000倍の出力は出ません。

当然ものすごく強力なエンジンに積み替える必要があります。

エンジンの重量が相当かさみますから、その重さを支えるシャシも強力なものにし、足回りも固めなければなりません(1,000km/hで走るんですから)。

空気抵抗の方は(速度の二乗に比例:10×10=100)、100倍になります。100km/hの風圧でも相当強いですが、その100倍の風圧に耐えられるよう、ボディーも頑丈にしなければなりません。

燃料を桁違いに消費しますから、ガソリンタンクも70リットルなんてケチなこといわずにもっと増やし、燃料をタップリ入れます。

・・・結果として普通の車より、相当重くなるはずです。

しかも見た目も相当デカくなり、空気抵抗もかなり増えるでしょう。

車重と空気抵抗が物凄く増えるので、1,000倍どころではなく、更に強力で重いエンジンが必要です。

(以前も書きましたが、ヒコーキはこういう、「1ヶ所重くなると、ついでにあちこち重くなる」という雪ダルマ地獄を克服してあのスピードと燃費を実現しております)

一体どれ程の大きさのエンジンが必要になるのか、オイラには想像もつきませんが、仮に空気抵抗が4倍になれば、必要な出力は単純に4,000倍になります。  

というわけで、正解は C:1,000倍以上 でした。

いや、オイラが計測不能なだけなんですけどね。

ヘンなクイズで申し訳ないです。

 

新幹線の場合 

新幹線のぞみの最高速度は時速300キロです。

もしものぞみを時速1,000キロで走らせようとすると、

同じように「出力は速度の三乗に比例する」という公式を使うならば、

時速1,000キロは時速300キロの3.33倍として、

3.33×3.33×3.33=36.93

で、単純計算でも約37倍の出力アップが求められることになります。

のぞみの場合燃料タンクは不要ですし、床下スペースを有効利用するなどして、車ほどの出力の余分な増え方はしないでも済みそうです。

それでも、空気抵抗以外の主な抵抗源である転がり抵抗もありますし、大幅な効率悪化は避けられないでしょう。

出力の増加に比例して燃費は悪化します。

二酸化炭素排出量で比べると、ヒコーキの1/6というデータがありますが、

時速300キロでこの程度の差ですから、37倍も出力を増やせば、恐らくヒコーキより相当悪くなるはずです。

 

船の場合 

「出力は速度の三乗に比例する」という公式は、船にも適用されます。

国内最速フェリーが時速約55キロです。

この場合、時速1,000キロを出そうとすると、

形も重さも変わらないとしても、約6,000倍の出力が必要です。

 

ここまでのまとめ 

各交通機関がヒコーキ並みの速度を出そうとした時に必要な出力をまとめてみますと

形、重さが変わらないとしても、

新幹線:37倍

車:1,000倍

船:6,000倍

が必要です。

現実的に考えるなら、少なくともこの数倍は必要ではないかと思います。

燃費は出力の増加に比例しますので、当然出力増加に伴って燃費の方も悪化します。

・・・どうでしょう?

こうして考えると、ヒコーキは(あのスピードを出している割には)凄まじく燃費がイイと思いませんか?

少しヒコーキに対する見方が変わりませんか?

 

現実問題 

もっとも、ここまで「現実的に考えれば」なんて言ってきましたが、

各交通機関の速度をヒコーキに合わせるということ自体が、

現実的に考えればナンセンスです。

日本の公道で時速1,000キロの車なんて、運転できるのは佐藤琢磨くらいでしょう。

いや無理かな?

 

でもこんな、現実ではあり得ない比較をしてみると、

なんとなく、「スピードを上げるのがいかに大変か」という雰囲気は伝わってくるのではないでしょうか?

 

このように、単純に燃費だけで各交通機関を比較するのではなく、

「速度」、もしくは「所要時間」という要素も考慮に入れるなら、見方もまた少し異なってくるのではないでしょうか。

日頃、「ヒコーキは環境に悪い乗り物である!だから鉄道、船を利用すべし!」 

と声高に主張される方でも、欧米、オーストラリアあたりに旅行に行く時は、黙ってヒコーキを利用されるのではないでしょうか?

だって東京→沖縄だって、船だと丸2日かかるんですよ?

 

続きます。 


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車が時速1,000キロで走るには? ・1 [├クイズ]

 航空会社の主張

前の記事→で、

ヒコーキは「1人当たりの燃費」でなら、クルマと結構いい勝負ができる

と書きました。

さらに、航空機が排出する二酸化炭素は、全輸送機関の排出量からすると、わずか4.1%にすぎません。(ソースはこちら→

 

・ヒコーキは、普段我々が利用する自家用車と遜色のない燃費を実現している

・全体から見れば、ヒコーキの排出する二酸化炭素はごく少量である

これらの資料を航空会社はしばしばアピールします。

 

 鉄道会社の主張

しかし、ライバル会社(主に鉄道)はヒコーキに関してしばしば別の資料を取り上げます。

それは、鉄道を含む、他の交通機関と比べた二酸化炭素排出量。

各交通機関のエネルギー効率の比較の仕方はいろいろあるのですが、 

例えば、東京から大阪に移動するとして、各交通機関で1人当たりどのくらいの二酸化炭素を排出するか、という数字があります。

ヒコーキの場合、59.4kg なのに対し、

新幹線なら、たったの9.8kg!

東京から大阪への移動に新幹線を選ぶなら、二酸化炭素の排出をナント1/6に抑えることができるのです。

 

また、貨物輸送部門でも、

「1t の貨物を1km運ぶごとに排出される二酸化炭素量」で見ると、

自動車を1とした場合、

船なら1/4

鉄道なら1/8 で済むというデータもあります。

残念ながら、ヒコーキとの比較資料はみつけられなかったのですが、

自動車と大体似たり寄ったりと考えても、ヒコーキの劣勢は明らかです。

 

船の二酸化炭素排出量は、距離、規模で随分と数字が変わるのですが、

このように、環境の観点で見るならば、ヒコーキは自動車と共に劣等生グループです。

 

 オイラの主張 

なんでヒコーキは他の交通機関と比べてこんなに燃費が悪いのでしょう?

ヒコーキと他の交通機関で、何がそんなに違うのか??

 

・・・と考えてみると、ヒコーキと他の交通機関で圧倒的に違うのは、やっぱりスピードです。

オイラはヒコーキが好きなので、ヒコーキの弁護をさせていただければ、スピードを上げるには、ものすごくエネルギーが必要です。

では、スピードが速くなると、具体的にどの位エネルギーが必要になるのでしょう?

燃費にはどれ位影響が出るのでしょう?

 

前記事では車とヒコーキで燃費を比較しましたけど、時速100キロで走る車が、ヒコーキ並みの速度を出そうとしたとします。

ここでは話を分かりやすくするために、ヒコーキ並みの速度=1,000キロで話を進めます。

さて、車が時速1,000キロ出すためにはどのくらいの力が必要なのでしょう?

またまたクイズ形式にさせていただきました。

 

 


 

Q:時速100キロで走行する車が時速1,000キロ出すためには、出力を何倍に増やす必要があるでしょうか?

 

A:100倍 B:1,000倍 C:1,000倍以上

 

(ヒント:現実的にお考えください)


 

 

コメント欄にカキコしていただきますと、オイラが喜びます

正解者にはもれなく何も出ませんけど、よろしければお付き合いくださいませ。

続きは水曜日!


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ジャンボの燃費はどれくらい? ・2 [├クイズ]

先週こんなクイズを出させていただきました。 



Q:ジャンボの燃費はどれくらいでしょう?

A:約5~6m/ℓ  B:約50~60m/ℓ  C:約500~600m/ℓ
(長距離を飛んだとして、離陸から着陸までトータルの燃費でお考えください)  


 

まずはたくさんの方にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

では早速ですが、回答の方を。

前記事のコメント欄にも書いたのですが、以前太平洋路線で新型のジャンボ(B747-400)に乗務していたパイロットさんにお話を聞く機会がありました。

「燃費は大体50~60m/ℓ」

とのことでした。

ということで、正解は、

B:約50~60m/ℓ でした。

当たった方、オメデトウゴザイマス。

はずれた方、次の記事でまたクイズ出しますので、是非リベンジしてください。

 

ところで、いろいろ資料から計算してみますと、燃費には随分幅があります。

一例ですが、以前JALの公式サイトではB747-400を使用した場合、

東京→ロンドン 距離:10,200km 使用燃料:166,000ℓ

東京→札幌    距離:920km    使用燃料:14,000ℓ

というデータが示されていました。

燃費を計算しますと、

東京→ロンドン:61.4m/ℓ

東京→札幌   :65.7m/ℓ

となります。

東京→札幌の方が若干燃費がいいですね。

前記事のコメント欄で、「長距離でも短距離でも燃費は変わらない」と書きましたが、 

厳密には、ごく短距離では燃費が悪いのはクルマと同様なのですが、超長距離になると、燃費は少し悪くなる特性があります。

 

ちなみに他のヒコーキの燃費はといいますと

YS-11:440m/ℓ
737-500:139m/ℓ 

でした。
 (数字は飽くまで目安です。ご了承ください)

 

燃費:ヒコーキvs自動車

ということでヒコーキの燃費を出してみましたが、

ヒコーキの燃費は車と比べて、すごく悪いですよね。

ただし、ヒコーキは一度にたくさんの人を運べます。

分かりや算出方法で、「1人当たりの燃費」というのがあります。

試しにジャンボの「1人当たりの燃費」を出してみますと、

0.06km×550人=33km/人

→ジャンボの「1人当たりの燃費」は、33km/ℓ となり、一気に燃費は良くなります。

また、B777-300で札幌→東京を飛行した場合、
燃費は86m/ℓ
1人当たりの燃費:40km/ℓ
となっております。

 

ところで、車にも同様の計算を当てはめてみますと、

例えば4人乗った車がリッター12kmで走ったとしたら、1人当たりの燃費は
12km/ℓ×4人=48
→48km/ℓ/人 となります。

まとめてみますと、

B747-400の1人当たりの燃費:33km/ℓ
B777-300の    〃   燃費:40km/ℓ
クルマの         〃    燃費:48km/ℓ

となります。

もっとも、この「1人当たりの燃費」は満席であることを前提に出してますので、

空席が増えるごとに数字は悪くなります。 

こうやって「1人当たりの燃費」をクルマと比較してみるとどうでしょう?

「なんだ、ヒコーキって思ってたよりそこそこ燃費いいじゃん!」と思いませんか?

 

続きます。


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ジャンボの燃費はどれくらい? ・1 [├クイズ]

ジャンボの燃費はどれくらい?

なんだかガソリン代が上がってますね。

もう、「どういうことか?」というくらい上がってますね。

なんか、まだまだ上がるらすぃですよ?

ここまでくると、イヤでも自分の車やバイクの燃費気にしますよね?

ですから、「じゃあ、ヒコーキの燃費ってどれくらいだろう?」と、ふと思ってしまったとしても、

ごくごく自然な成り行き

といえましょう。

 

ということで、またまた三択クイズです。

 


Q:ジャンボの燃費はどれくらいでしょう?

 

A:約5~6m/ℓ  B:約50~60m/ℓ  C:約500~600m/ℓ
(長距離を飛んだとして、離陸から着陸までトータルの燃費でお考えください)  


 

前回お付き合いいただいた方も、こういうのは今回が初めての方も、

よろしければ是非コメント欄にカキコしてくださいませ。

(続きは来週の月曜日にアップする予定です)


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ジャンボの大きさが2倍になったら・4 [├クイズ]

それでは先回の積み残しに移ってしまいますのだ。 

ちょっとおさらいです。

ヒコーキの大きさが変化すると、二乗三乗の法則が働きます。

これは、「最大離陸重量は二乗倍で増えるのに対し、機体重量は三乗倍で増える」というものでした。

それで、何の工夫もせずにヒコーキを巨大化すると、自重が重過ぎてほとんど何も積めず、役に立たないヒコーキになってしまう、ということでした。

・・・で、B737と比べて全長が2.27倍も大きいA380の場合、単純に2.27倍の大きさで二乗三乗の法則を当てはめると、

最大離陸重量 5.2倍→338.5t
自重      11.7倍→425.9t

となり、重すぎて飛べなくなってしまうのですが、実際にはちゃんと使い物になるヒコーキに仕上がっています。

その理由として、軽量化ともう1つなんでしょう?

ということでした。

すっかり前フリが長くなってしまいましたが、早速下の図をご覧くださいませ。

 

 B737とA380の全長を揃えてみたものなんですが、翼にご注目ください。胴体の太さと比較して、A380の翼の方が太く、長くなっているのが分かりますでしょうか?

このように、主翼を大きくすることで、最大離陸重量を引き上げているということが言いたかったのです。

 

細かく書くと、またボロが出そうなので、このへんにしときます。

本当は更にいろいろこの2機を比較して計算てみたのですが、怪しげなので公開するのはやめときます。

「完璧だ!」と思えるようになったら、いつかアップできる日がくるかもしれません。

では~。

(追記・続きの記事アップしました→


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前記事の訂正とお詫びです! [├クイズ]

・・・えー、今回はまずお詫びから入らなければなりません。

実はわたくし、「致命的な見落とし」をしておりました。

大変申し訳ありません。

↓前記事のこの部分なんですけどね。 


 

 

                 全長       自重   最大離陸重量   ウド率   
  B737-600   31.2m     36.4t    65.1t    55.9%
  A380-800    70.8m    267.0t   540.0t    49.4%

  まず全長をご覧ください。2.27倍になっております。「二乗三乗」で計算しますと 、A380の自重は425.8t となるはずですが、たったの267.0t に抑えられております。

 


全長が2.27倍というだけで、A380全体がB737の2.27倍だと思い込んでしまいました。重さに大きな影響を及ぼす「胴体の太さ」の比較をまったく考慮に入れてませんでした。


 

それで慌ててそれぞれの胴体の太さを比較してみると・・・

とんでもないことが判明致しました。

胴体幅:1.848倍

胴体高:2.112倍   

なのです。

 

・・・。

 

真円じゃないジャン!!

 

幅と高さでそれぞれ変化の仕方が微妙に違うんです。

断面の面積が分かればまだなんとかなるんですが・・・

しかもこれが結構複雑なおしゃれ曲線なんですよ。

・・・これじゃ、計算できませんよ!?(逆ギレ)

複雑な形の楕円って、かけたり割ったりでは面積出ませんよね?

これは、オイラみたいな素人に計算させないために嫌がらせをしているとしか思えませんよ(違

きっちり数字を出そうとするなら、オイラのテクではここでお手上げです。

これ以上計算できません!

 

・・・でも、せっかくここまで引っ張ったのに、計算を断念してしまうのも癪ですので、荒業を繰り出すことにしました。

その荒業とは・・・秘儀「真ん中取り」です。

ただし、この技を使えば計算は可能なのですが、1度使うと、その後の数字が大きくズレてしまうという諸刃の剣なのです。

非常に危険な技ですのでお勧めできません。

本当はオイラも使いたくなかった・・・。

でも、ここまできたからには仕方ありますまい。やってしまいますのだ。

 

 

          (唐突に)えいっ!

         (大分インチキくさくなって参りました)

 

・・・。

・・・。

・・・オイラの繰り出した技の結果、胴体の大きさは、1.98倍と出ました。

いえ、1.848倍と、2.112倍の間を取っただけなんですけどね。

ともかくこの1.98倍で計算を進めたいと思います。

既にココから数字が狂ってしまってますのでおおよその数字しか出ませんことをご承知おきください。

 

訂正前の単純計算では425.8t と書いていたのですが、

・胴体の太さ:1.98倍

・ヒコーキの長さ:2.27倍

という条件で改めて計算し直してみますと、理論上A380の自重は323.8t となりました。

(一応計算の考え方を書いておきますと、まず1.98倍の大きさヒコーキの重さを出し、そのヒコーキの長さを元の2.27倍に伸ばしました)

というわけで、前記事の問題の部分を修正させていただきました。 

 

実は今だから正直に言えるのですが、前記事を書いててあまりの軽さに、内心(こんなに軽くなるもんかぁ??)と思ってたんですけどね。

でも、本来323t になるはずが、必死の重量軽減で267t なら、なんとなく

もっともらしくないですか? 

 

いつも[公開]をクリックする時には、(これで間違いはないはず) と思っているのですが、それでもこの1年で既に何度かミスを犯してしまいました。

今後、もっと注意して記事を書きますが、それでも間違いは起こってしまうかもしれません。

いえ、起きます!

(・・・そんなに力いっぱい言い切られても)と思われるでしょうが、オイラが書いている以上、そこは諦めてください。

それで、どうぞオイラの記事は、内心(本当か~?)と疑いつつ、「へ~、そんなもんかねぇ・・・」程度に受け取っていただければ幸いです。

間違ってもこの記事を鵜呑みにして他の人にしゃべってしまい、赤っ恥をかいてしまうということがありませんように。

そして、「ココ、違うんじゃない?」とか、「ココ、間違ってる!」とお気づきになった箇所がありましたら、是非コメント欄にてビシッと突っ込みを入れてください。

あ、勿論人頼みではなく、まずはオイラが正確な記事を書くように心掛けます。

改善策としまして、間違った箇所がないか十分確認すると共に、これからは正しいかどうか少しでも疑問が残る記事は、公開するまで十分な時間を置いてよく確かめるようにします。

申し訳ありませんでした。

(「ジャンボの大きさが2倍になったら・4」は明日アップします) 


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ジャンボの大きさが2倍になったら・3 [├クイズ]

前回までの記事で、

「ジャンボが2倍の大きさになったら、積める量は半減してしまう」

と書きました。

少なっっ !  と思いますよね?

繰り返しで恐縮ですが、飛び上がる力が二乗倍に比例して増えるのに対し、ヒコーキの重さは三乗倍に比例して増えていくからこういうことになるのです。

具体的に数字を挙げますと、ジャンボの最大離陸重量に占める自重の割合は、46.3%なのですが、機体の大きさを2倍にすると、この数字が一気に93%まで跳ね上がるのです。

そして、機体の大きさを2.052倍にすると、ナント!

最大離陸重量に占める自重の割合は、100% を越えてしまうのです。

つまり、乗客、燃料を積む前から既に重量オーバーで、飛べません。

 

「二乗三乗の法則」恐るべし!!

 

このように、ヒコーキは大きくなればなるほど、ウドの大木になってしまうという危険性をはらんでいるのです。

ではここで、実際のヒコーキで、大きくなるごとに最大離陸重量に占める自重の割合(ウド率)がどう変化するのか見てみましょう。

 

               全長       自重   最大離陸重量   ウド率    
  B737-600  31.2m     36.4t    65.1t    55.9%
  A310-300   46.7m     81.8t   164.0t     49.9%  
  MD-11     61.2m    126.0t   273.0t    46.2% 
  B777-200   63.7m    138.0t   247.0t    55.9% 
  B747-400   70.7m    183.0t   395.0t    46.3%
  A380-800   70.8m    267.0t   540.0t    49.4%  

 

全長、自重の欄を見ていただければお分かりのように、下に行くほど大きいヒコーキになっております。

1番右の「ウド率」の欄をご覧ください。

・・・アレ? と思われませんか?

「今まで言ってることと全然違うじゃないか!」と。

最大離陸重量に占める自重の割合(ウド率)は、機体の大きさにかかわらず、大体50%凸凹です。

あ、念のため言っておきますが、「ウド率」は、今適当に作った言葉ですから。

ちょっとここで、 最軽量のB737-600と、最重量のA380-800を比較してみましょう。 

 

                全長       自重   最大離陸重量    ウド率   
  B737-600   31.2m   36.4t    65.1t     55.9%
  A380-800   70.8m    267.0t   540.0t    49.4% 

 

 まず全長をご覧ください。2.27倍になっております。胴体は1.98倍です。「二乗三乗」で計算しますと 、A380の自重は425.8t323.8tとなるはずですが、たったの267.0t に抑えられております。(追記:この部分は計算の考え方が間違っていました。赤字と横線で訂正させて頂きました。申し訳ありません。訂正の関連記事→

なんでこんなに軽くなったのでしょう?

1つには、材料選定、設計、製造など、ヒコーキを造り上げていく際の様々な改良が挙げられます。

ちょっと話が逸れますが、ヒコーキは1ヶ所重くなると、ついでにあちこち雪ダルマ式に重くなってしまうという危険を抱えています。

例えば、機首が当初の計画より重くなってしまったとしましょう。

重くなった機首を支えるために、その周辺の構造も強化しなければなりません。

これで少し余分に重くなってしまいました。

ヒコーキの重量を最終的に支えているのは、地上では車輪、上空では主翼です。

それで、重くなった機首とその周辺を支えるために、車輪、主翼に至るまでの構造も強化しなければなりません。

またまた重くなってしまいました。

となると、その分車輪と主翼も頑丈にしないといけないため、更に重量がかさんでしまいます。

これでかなり重くなってしまいました。

そうすると、今までの主翼では揚力不足となり、今までのエンジンでは推力不足になります。

主翼を大きくし、エンジンも更に大きく重くなり、燃料も余計に必要です。

(実際にはこんな泥縄にはならないのでしょうが)

 

「1gの重量増は、100万円の損失」という言葉もあるくらいです。 

このように僅かな重量増が全体に大きな影響を及ぼすのであれば、逆もまた真

1ヶ所軽くなると、それに付随してついでにあちこち軽くなるという好循環が生まれます。

それは上の説明を、「機首の周辺が当初の計画より軽くなったとしましょう」

に読み替えて頂けるとよく分かると思います。

工夫を凝らし、削りに削りまくって、大幅な減量をした結果が、A380の自重なのです。

 

メーカーのエアバス社でA380の設計を進めていた際の実話ですが、

「もしこういう形に作れれば、かなり軽量になるなぁ」という部品がありました。

ところがその部品を作るためには、非常に難しい金属の削り出し加工が必要で、世界のどのメーカーもその部品を作ることができませんでした。

最終的に、日本のあるメーカーが開発した専用マシンによって初めて製作が可能となり、大幅な減量に成功したのだとか。

重量軽減のためのそういう努力がいくつも積み重ねられていく訳で、エアバス曰く、

「ジャンボを作った当時の技術でA380を作ったら、重量は更に10~15t は増えたはず」なのだそうです。

これは実に自重の3.7~5.6%に相当します。

 (「新技術の導入」とかは無しで、単純に大きさを2倍にすると考えてください)
などとわざわざクイズに含めたのは、そういうことでした。

特に、 B737-600と比べてA380は、客室が全面2階建てになり、エンジンも倍の4コついています。そういうハンデを乗り越えてこの数字ですから立派です。

ということで、機体が大きくなっても使い物になっている1番目の理由として、

減量しているから

が挙げられます。

しかし、ウド率がB737よりも更に改善されているのは、単に減量したからだけではありません。

 

                 全長       自重   最大離陸重量   ウド率   
  B737-600  31.2m     36.4t     65.1t    55.9%
  A380-800   70.8m    267.0t   540.0t    49.4% 

上にあった表を再び登場させました。

今度は表の「最大離陸重量」をご覧ください。

B737-600の最大離陸重量は、65.1t です。

A380の全長はB737の2.27倍ですので、この比率で計算すると、

(翼面積は二乗倍で増えるので)最大離陸重量は335.5t になるはずで、

そうするとウド率は79.6% に跳ね上がってしまうはずです。

ところが表を見ると、最大離陸重量は540.0t になっております。

最大離陸重量が単純に二乗三乗で計算するよりずっと大きくなっているおかげでウド率が悪化せずに済んでいるというわけですね。

・・・なんで最大離陸重量がこんなに増えるのでしょう??

 

続きは1週間後。

(そんなの簡単だゼ!という方、よろしければコメント欄にカキコしてくださいませ)  

 ↓一応コチラがヒントです。


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ジャンボの大きさが2倍になったら・2 [├クイズ]


Q:ジャンボの2倍の大きさのヒコーキを作ったとします。そのヒコーキはジャンボと比べてどれくらいの重さの人、物、燃料を積むことができるでしょうか?

 

A:約半分 B:約2倍 C:約8倍
(「新技術の導入」とかは無しで、単純に大きさを2倍にすると考えてください)


先週の記事でこんなクイズを出しました。

まずは、大勢の方にお付き合いいただきまして本当にありがとうございました(ぺこり

 

では早速ジャンボの大きさを単純に2倍にするとどうなるか、計算してみましょう。

一見、「大きさが2倍になるから、運べる量も2倍になるはず」と思いますよね?

以前の記事→ でも少し書いたのですが、大きさが変化すると「二乗三乗の法則」が働きます。

これは、「大きさが変化すると、面積は二乗、重さは三乗に比例して変化する」

という、ヒコーキにとっては悪夢のような法則です。

今回の、「ジャンボの大きさを2倍にする」ということにあてはめるならば、

「面積は4倍、重さは8倍」コレ重要!

ということになります。

これがどれほど恐ろしい法則か、実際に計算してみましょう。

 

まずは、最大離陸重量を計算します。

ジャンボの2倍の大きさになったヒコーキが、どのくらいの重さまで飛ぶことができるかを計算するわけです。

ちなみにジャンボの最大離陸重量は394.6tです。これは言い方を変えるなら、

「ジャンボの翼は(離陸時に)最大394.6t の揚力を発生させることができる」ということになります。

ですから例えば、ジャンボの翼の2倍の面積があれば、2倍の重さのヒコーキを飛ばせることになります。

それでは、ジャンボの2倍の大きさのヒコーキを作ると、その翼の面積は何倍の大きさになるでしょう?

ここで先ほどの公式を使います。

「面積は4倍」になるのでした。

ですからジャンボの2倍の大きさのヒコーキは、4倍の重さのヒコーキを持ち上げることができるということになります。

 ジャンボの最大離陸重量は394.6tですから、

394.6×4=1,578.4 で、

最大離陸重量は1,578.4tです

 

 

次に、ヒコーキの重さがどう変化するかを計算します。

「重さは8倍」になるんでしたね?

ジャンボの機体重量は182.75tですから、

182.75t×8=1,462t で、

機体重量は1,462tです

 

これで必要な数字が出揃いました。

 

最大離陸重量:1,578.4t 機体重量:1,462t 116.4t

 ということで、単純にジャンボの大きさを2倍にすると、機体に積み込むことができる余地は、

116.4tです。

 

普通の大きさのジャンボに積み込むことができる余地は211.84tですから、

機体を2倍にしたら、積める量が約半減というとんでもない結果になってしまうのです。

ということで、クイズの正解は、

  A:約半分

でした。

 


続きます。


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ジャンボの大きさが2倍になったら・1 [├クイズ]

少し前に「乗客が全員力士だったら」→ という記事を書きました。

記事を一部抜粋します。


 

266人のお相撲さん×1人当たりの重さ(170kg)=45.22t

成田~ニューヨークの飛行に必要な燃料=150t(予備30t含む)

機体重量=182.76t

合計しますと、377.98tになります。

747-400の最大離陸重量は394.6tですので・・・


 

「ヒコーキって意外とモノが運べないんだなぁ」

という感想を持たれた方、以前からそう思っていた方、いらっしゃるのではないでしょうか?

・・・え?

「そんなトコ見てない」ですか?

じゃあ、今から説明しますので、そういう感想持ってください。

でないと、話が進みませんから(泣

 

離陸重量377.98tのうち、力士の重さが45.22t です。

45.22t の人をニューヨークまで運ぶのに150t の燃料が必要であり、

それらを積み込んで飛ぶ機体は182.76t にもなります。

別の言い方をするならば、

「離陸重量に占めるお相撲さんの重量は、

 たったの12%でしかない」

ということになります。

ジャンボの最大離陸重量は394.6t ですから、これでもほぼ限界までお客さんを乗せているのです。

それでも、これだけ詰め込んでも、たかだか1割強しか運ぶことができません。

  

ジャンボの最大離陸重量が400t 近いと聞くと、「すごいなぁ!」と思いますし、その重量感溢れる姿は見ていてカッコイイのですが、そもそもジャンボは乗り物です。 

人、物を運んでナンボです。

以前の記事で、「ヒコーキは軽いから飛ぶ」→ とか書いておいてナンですが、

こうして実際に運べるものの重さとの割合で比較すると、「ヒコーキってすごく重いなぁ」と思いませんか?

 

最大離陸重量(394.6t) に占める機体の重さ(182.76t) は、46%にもなるのです。

ジャンボの図体はあんなに大きいのに、こんなチョビットしかモノを運べないんです。

 

環境対策の叫ばれる昨今、特に厳しい目を向けられてしまうヒコーキですから、これはマズイです。 

ならば、そんなにチマチマ運ぶのをやめて、いっそのことジャンボの2倍のでかさのヒコーキを作り、一気に運ぶというのはどうでしょう?

ジャンボで使用しているものの約倍の推力のエンジンもありますし。

 

いつもなら、ここから更にダラダラとオイラの駄文が続く所ですが・・・

いつもと趣向を変えて、今回はクイズ形式にしてみたいと思います。
(ばうさんにアイディアをいただきました)


 

Q:ジャンボの2倍の大きさのヒコーキを作ったとします。そのヒコーキはジャンボと比べてどれくらいの重さの人、物、燃料を積むことができるでしょうか?

A:約半分 B:約2倍 C:約8倍
(「新技術の導入」とかは無しで、単純に大きさを2倍にすると考えてください)


 「2倍の大きさ」とは、例えばジャンボの全長は約70mですから、×2で、全長140mとかそういうことです。

注)ここまでは、積むことのできる人、物の重さの割合で話を進めてきましたが、このクイズでは、人、物に加え、燃料も含めました。特にヒコーキの場合、燃料を減らせばその分、人、物がたくさん積め、逆に燃料を満載すれば今度は人、物があまり積めないという相関関係にありますので。(あと計算が面倒ですし)。

よかったら、コメント欄にカキコしてくださいませ。

 

続きは1週間後! 


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