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車が時速1,000キロで走るには? ・2 [├クイズ]

 

前回クイズを出させていただきました。

 


 

 

Q:時速100キロで走行する車が時速1,000キロ出すためには、出力を何倍に増やす必要があるでしょうか?

 

A:100倍 B:1,000倍 C:1,000倍以上

 

(ヒント:現実的にお考えください)


またまたたくさんの方にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。 

 

早速答えなのですが

何人かの方がカキコしてくださいましたが、

時速100キロで走っている車が、

時速1,000に増速しますので、

速度が10倍になる

ということになります。

ですので考え方としまして、

「速度を10倍にするためには、出力を何倍にすればよいか」

ということになります。

このような場合には、

「出力は速度の三乗に比例する」という公式を使います。

「え?そんな公式あるの?」と思われるかもしれませんが、

あるんです。

早速この公式を使う前に・・・

↓ちょっと脱線します。 

 

(ここは完全に余談ですので、読み飛ばして頂いてもまったく問題ありませんよ)

 

余談:「出力は速度の三乗に比例する」という公式の実用例

 

ゼロ戦の初期型(21型)は、「栄12型」というエンジンを積んでました。

エンジン出力:940馬力

最大速度:533km/h

という性能でした。

 

ゼロ戦の後期型(52型)は、「栄21型」というエンジンに換装し、

エンジン出力:1,130馬力

最大速度:565km/h

という性能でした。

 

21型と52型を比べますと

出力20%upに対し、速度は6%upということになります

これを「出力は速度の三乗に比例する」の公式に当てはめてみますと、

1.06×1.06×1.06=1.19

となり、この公式による計算上でも、

「出力19%upに対し、速度は6%up

という数字が出ます。

実際には「出力20%upに対し、速度は6%up」を実現していますので、

計算よりも1%分効率が悪くなっているように見えますが、

後期型は初期型と比べて約200kg自重が重くなっています

そのことも考え合わせると、この公式はほぼ完璧に実例通りと言えましょう。

つまり一言で言うと、

「この公式はすごく正確!」ということです。(余談おわり)

 


 

 

早速この「出力は速度の三乗に比例する」という公式を使ってみます。

速度が10倍になるわけですから、

10の三乗倍で必要な出力がでることになります。

必要な出力は、

10×10×10=1,000で、

出力は1,000倍必要ということになります。

というわけで、 A:100倍 と予想された方、ゴメンなさい。

今回「A」と予想された方が圧倒的に多かったです。

そりゃそうですよね。

速度が10倍ですから、出力を100倍も増やせば十分過ぎる気がします。

この公式は、風速と、風力エネルギーの関係を表したものと言い換えることもできます。

今回の例で言えば、ちょっとした速度の増加が、如何に空気抵抗という形でエネルギーを奪うか、ということになります。

奪いすぎだよ!

という感じですが、例えば風力発電ではこれが逆に作用し、

ちょっと風か強くなると、三乗倍に比例して発電量が増える、ということにもなりますので、許してください。 

 

では、 B:1,000倍 が正解かといいますと、そうでもありません。 

「出力は速度の三乗に比例する」という公式からは、

「車の形も、重さも変わらなければ」

という条件付の答えしか導き出せません。

しかもこの計算には、空気抵抗のことしか含まれていません。

(ヒント:現実的にお考えください)

というのは、そういうことでした。

このヒントも、かえっていろいろと悩ませてしまう原因になってしまいましたね。

 

高速になればなるほど、車全体に発生するいろいろな抵抗のうち、空気抵抗の占める割合がどんどん増えていくのですが、車の場合、他にも「タイヤのころがり抵抗」が上乗せされます(こちらも速度に比例して多少増加)。

というわけで、 B:1,000倍 と予想された方、ゴメンなさい。

 

ではもっと具体的に考えてみましょう。

1トンそこそこの普通の車のエンジンをどんなにフカしても、時速100キロで巡航している時の1,000倍の出力は出ません。

当然ものすごく強力なエンジンに積み替える必要があります。

エンジンの重量が相当かさみますから、その重さを支えるシャシも強力なものにし、足回りも固めなければなりません(1,000km/hで走るんですから)。

空気抵抗の方は(速度の二乗に比例:10×10=100)、100倍になります。100km/hの風圧でも相当強いですが、その100倍の風圧に耐えられるよう、ボディーも頑丈にしなければなりません。

燃料を桁違いに消費しますから、ガソリンタンクも70リットルなんてケチなこといわずにもっと増やし、燃料をタップリ入れます。

・・・結果として普通の車より、相当重くなるはずです。

しかも見た目も相当デカくなり、空気抵抗もかなり増えるでしょう。

車重と空気抵抗が物凄く増えるので、1,000倍どころではなく、更に強力で重いエンジンが必要です。

(以前も書きましたが、ヒコーキはこういう、「1ヶ所重くなると、ついでにあちこち重くなる」という雪ダルマ地獄を克服してあのスピードと燃費を実現しております)

一体どれ程の大きさのエンジンが必要になるのか、オイラには想像もつきませんが、仮に空気抵抗が4倍になれば、必要な出力は単純に4,000倍になります。  

というわけで、正解は C:1,000倍以上 でした。

いや、オイラが計測不能なだけなんですけどね。

ヘンなクイズで申し訳ないです。

 

新幹線の場合 

新幹線のぞみの最高速度は時速300キロです。

もしものぞみを時速1,000キロで走らせようとすると、

同じように「出力は速度の三乗に比例する」という公式を使うならば、

時速1,000キロは時速300キロの3.33倍として、

3.33×3.33×3.33=36.93

で、単純計算でも約37倍の出力アップが求められることになります。

のぞみの場合燃料タンクは不要ですし、床下スペースを有効利用するなどして、車ほどの出力の余分な増え方はしないでも済みそうです。

それでも、空気抵抗以外の主な抵抗源である転がり抵抗もありますし、大幅な効率悪化は避けられないでしょう。

出力の増加に比例して燃費は悪化します。

二酸化炭素排出量で比べると、ヒコーキの1/6というデータがありますが、

時速300キロでこの程度の差ですから、37倍も出力を増やせば、恐らくヒコーキより相当悪くなるはずです。

 

船の場合 

「出力は速度の三乗に比例する」という公式は、船にも適用されます。

国内最速フェリーが時速約55キロです。

この場合、時速1,000キロを出そうとすると、

形も重さも変わらないとしても、約6,000倍の出力が必要です。

 

ここまでのまとめ 

各交通機関がヒコーキ並みの速度を出そうとした時に必要な出力をまとめてみますと

形、重さが変わらないとしても、

新幹線:37倍

車:1,000倍

船:6,000倍

が必要です。

現実的に考えるなら、少なくともこの数倍は必要ではないかと思います。

燃費は出力の増加に比例しますので、当然出力増加に伴って燃費の方も悪化します。

・・・どうでしょう?

こうして考えると、ヒコーキは(あのスピードを出している割には)凄まじく燃費がイイと思いませんか?

少しヒコーキに対する見方が変わりませんか?

 

現実問題 

もっとも、ここまで「現実的に考えれば」なんて言ってきましたが、

各交通機関の速度をヒコーキに合わせるということ自体が、

現実的に考えればナンセンスです。

日本の公道で時速1,000キロの車なんて、運転できるのは佐藤琢磨くらいでしょう。

いや無理かな?

 

でもこんな、現実ではあり得ない比較をしてみると、

なんとなく、「スピードを上げるのがいかに大変か」という雰囲気は伝わってくるのではないでしょうか?

 

このように、単純に燃費だけで各交通機関を比較するのではなく、

「速度」、もしくは「所要時間」という要素も考慮に入れるなら、見方もまた少し異なってくるのではないでしょうか。

日頃、「ヒコーキは環境に悪い乗り物である!だから鉄道、船を利用すべし!」 

と声高に主張される方でも、欧米、オーストラリアあたりに旅行に行く時は、黙ってヒコーキを利用されるのではないでしょうか?

だって東京→沖縄だって、船だと丸2日かかるんですよ?

 

続きます。 


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コメント 15

chi-hiro

ヤッタネ!!これでちひろも喜びますっ!(爆)
今夜っから、ダイビングに行って来ますっ。バイバイ!
by chi-hiro (2006-08-23 07:01) 

とり

ちひろさん
アハハ、よかったですね。
ダイビングいってらっさーい! 気をつけて楽しんできてくださいね~ノシ
コメント&nice! ありがとうございました。
by とり (2006-08-23 07:39) 

ぷらぷら

残念・・・思ったより大きいですね。
こうして見ると飛行機の設計ってホントに凄いですね。
by ぷらぷら (2006-08-23 13:14) 

鯨(いさな)

残念1000倍でしたか・・・公式があったとは・・・
確かに車に当てはめて良~く考えてみたら納得出来そう。
GTRが確か280馬力で、オーナーカスタム車で400馬力、600馬力、中にはモンスター系800馬力ってのが有るンだけど・・・速度はたいして変わらない様な気がするんだな!音ばっかりで!
やっぱ答えは1000倍だ!
あ~俺はGTRのオーナーじゃないよ!
by 鯨(いさな) (2006-08-23 15:52) 

tooshiba

なるほど・・・理屈の上ではそんなに力が必要になるんですね。目から鱗。
まあ時速1,000kmの乗り物なんて、地上では危なっかしくて仕方がありませんけども。
Aで失敗した私は次のクイズに賭けます!
とりさんよろしくお願いします!
by tooshiba (2006-08-23 21:43) 

しまふくろう

どうも成績悪いんで勉強しなくっちゃー!
つぎの問題がこわい…
冬眠しようかな~!
これだけ暑いと冬眠も出来ないしまふくろうでした。
by しまふくろう (2006-08-23 23:44) 

ハイマン

あちゃー 外しちゃったよーん。
すごく悔しい!
感(勘)ジニアしっかくざんす。とほほ
でも次は当てるぞ!
by ハイマン (2006-08-24 00:28) 

マリオ・デ・ニ−ロ

A,B,Cと順番に来ましたか・・・次はB,Aと戻るか?Aから行くか?
学生の時の研修旅行は有明→那覇の船でした。
by マリオ・デ・ニ−ロ (2006-08-24 00:57) 

とり

■ANAのSFCを目指してさん
残念でした~。ホント、ヒコーキってすごいです。
NSXで考えると、あとホンの4倍の出力アップでもいいような気もしますよね。
というか、オイラのヒントがアダになりましたね。申し訳ないです。
コメント&nice! ありがとうございました。

■鯨(いさな)さん
800馬力なんてGT-Rがあるんですか!スゲー!乗ってみたいなぁ。
言われてみれば確かに、馬力が倍になったからって、速度が倍になったりしないですよね。前回のカキコで鯨(いさな)さんが書いていた通り、
0→100よりも、100→200の方が時間かかるし。
コメント&nice! ありがとうございました。

■tooshibaさん
「速度域によって最適な乗り物が分かれる」
最終的にはそれだと思ってます。
今回の燃費ネタシリーズ、もう少し続く予定なんですが、次はどうやってクイズ形式にしようか悩んでます。でもクイズは出しますので、是非次でリベンジしてください。
コメント&nice! ありがとうございました。

■しまふくろうさん
前回しまふくろうさんがカキコしてくださった、F-4エンジンを積んでる車の話、ジェットエンジンがレシプロと比べ、如何に小型軽量大出力かということをよく示していますね。
確かにジェットエンジンを積めば、比較的容易に1,000キロ達成できそうです。
是非また懲りずにお付き合いくださいませ。
コメント&nice! ありがとうございました。

■ハイマンさん
ちなみに今回のクイズ、
A:空気抵抗は速度の二乗に比例
B:出力は速度の三乗に比例
ということをご存知の方用のおとし穴でした。
実は以前出したクイズにも、こういうトラップが入ってたんですよ(o ̄∇ ̄o)ニヤ
これでオイラの性格が如何に油断ならないか分かったと思います。
でもこういうトラップのせいで、なまじ知識のある方がハズレで、純粋にヒコーキが好きな水中のお姫様がアタリだったりしますから。
オイラの腹黒さを踏まえて、是非リベンジしてくださいね~。
コメント&nice! ありがとうございました。

■アスランマリオさん
実は、意識的にA→B→Cの順にしてました。ですからアスランマリオさんの前回のカキコを見たときは、「読まれたー!」と思ってたんですよ。惜しいことしましたね~。次は・・・どうしましょうねぇ。(o ̄∇ ̄o)ニヤ
アスランマリオさんも有明→那覇の船、乗られてたんですね!
オイラも学生時代、東京~沖縄は船に随分お世話になりました。
独特な雰囲気でいいですよね。油断してるとヒコーキ以上にお金かかりますけどね。
コメント&nice! ありがとうございました。
by とり (2006-08-24 06:44) 

basashi

う~ん、悔しい!そんな公式があったとは...
ちなみにその公式って、物理の教科書に載っているような方程式ですか?
それとも今までの経験から導き出した経験則なのかなぁ?
次回はリベンジするぞぉ!!!
by basashi (2006-08-25 10:08) 

とり

basashiさん
なんか難しい流体力学の計算式できちんと証明できる公式みたいですよ。ググってみると、この公式の使用例は当たり前のようにゾロゾロと出てきますので、そのスジでは基本的な公式のようです。是非次でリベンジを。
コメント&nice! ありがとうございました。
by とり (2006-08-25 20:12) 

まさ

こんばんは^^
またまた屁理屈で当たってしまいました^^
のぞみの話が出てましたが、鉄道の場合車輪とレールの間の摩擦が限りなく少ないので、車輪の回転数を上げすぎると却って空転してしまって前に進まなくなってしまうそうです。30倍近くも出力を上げると空回りによる摩擦熱で車輪が発火する恐れもあるかもしれませんね。"灰になる"が正解になるかも^^
by まさ (2006-08-25 23:39) 

ひろちゃ

ご訪問ありがとうございましたm(__)m私は以前、本田宗一郎さんのきれいな目を間近に見てから(同じ静岡県人ということもあり)ホンダのファンになり、二輪四輪とも数々のホンダ車を乗り継いできました。F1を見に何度も鈴鹿に行きましたし・・・。セナ、プロストの走りに何度も感動しました。私も飛行機好きですよ。セントレアには開港すぐの頃行ってきましたし。また興味あるブログを読ませてください。
by ひろちゃ (2006-08-26 08:27) 

とり

■まささん
まささんの発想にはいつも驚かされます。ちゃんと自力で計算して近い数値が出てくるところがすごいです。
まささんが"灰になる"と言うと、なんか信憑性がありますね。
我々が子供の頃は、「鉄道は350キロが限界である。だからそれ以上の速度を出すにはリニアでなければならない」みたいなこと言ってましたよね。
コメント&nice! ありがとうございました。

■ひろちゃさん いらっしゃいませ~ヽ(*´ヮ`)ノ
筋金入りのホンダファンの方ですね。本田宗一郎さんを間近に見たというのがなんとも羨ましい限りです。オイラは本田さんと直にお会いしたことは残念ながらないのですが、本、テレビなどでその天真爛漫な武勇伝を知って以来の本田ファンです。
よろしければまたお越しくださいませ。
コメントありがとうございました。
by とり (2006-08-26 15:08) 

とり

ごまさん
nice! ありがとうございました~。
by とり (2006-08-30 08:01) 

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